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「愛車の色を自分で塗り替えてみたい」 そう思い立った時、一番の壁は『素人が安価な家庭用スプレーガンで本当に綺麗に塗れるのか?』という不安ではないでしょうか。
私は古民家暮らしの中で、実際に家庭用スプレーガンを使い、セレナを一台丸ごと全塗装しました。
この記事では、私がその時に使用した道具や具体的な工程、注意点を**「技術マニュアル」**として詳しくまとめています。
ただし、作業を始める前に、一度だけ立ち止まって考えてみてほしいことがあります。
3年経った今、私が辿り着いた**『全塗装の正直な答えと後悔』**についてです。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
「覚悟は決まった、具体的な手順を早く知りたい」という方は、このまま読み進めてください。
DIYで全塗装:ボロ隠しか、再生か。

長年乗り続けた愛車セレナ。経年劣化によってボディの「クリア剥がれ」が深刻な状態になっていました。特にボンネット周りは悲惨で、ボロボロの見た目に「少し恥ずかしい」と感じる日々……。
当初は業者への依頼も検討しましたが、全塗装の見積もりはミニバンクラスだと安くても25万円〜。 年式を考えると、そこまでの高額投資は現実的ではありませんでした。
「どうせ乗り潰すつもりなら、自分の手で塗り替えてみよう」
そう決意して辿り着いたのが、以下のセットによるセルフ全塗装です。
- 1万円以下の電動スプレーガン: コンプレッサー不要で手軽な「ペンキ屋くん」
- タカラ塗料のカーペイント: DIY全塗装の火付け役。刷毛・ローラーでも塗れる専用塗料
なぜ素人でも「それなり」に仕上がるのか?

「刷毛やローラー、安いスプレーガンで本当に綺麗に塗れるの?」という不安。その答えは、塗料に含まれる**「つや消し剤」**にあります。
通常の艶あり塗装は、光の反射によって塗りムラが目立ちやすいのですが、つや消し塗装は光を乱反射させるため、多少の凹凸やムラが視覚的に目立たなくなります。 この「つや消し効果」こそが、DIY塗装を成功させる最大のポイントです。
知っておくべき「つや消し塗料」の弱点
ムラが目立たないメリットの反面、つや消し塗料にはデメリットもあります。
- 耐久性の低下: 同じグレードの塗料でも、艶ありに比べて耐候性(日光や雨への強さ)は低くなります。
- 質感の差: 輝きや立体感がないため、仕上がりは少し質素(ミリタリー風やマットな質感)になります。
【塗料の種類と耐久年数の目安】
- ラッカー: ツヤなし / 耐久1〜2年(手軽だが劣化が早い)
- 2液ウレタン: わずかにツヤ / 耐久3〜4年(ガソリンに強い)
- 水性: 3分ツヤ / 耐久4〜5年(臭いが少なく扱いやすい)
最大のリスク「二度とプロに頼めなくなる」

これが最も重要な注意点です。
一度DIYで塗装(特に水性塗料)をすると、以後の板金塗装屋での修理を断られる可能性が高くなります。
DIY塗装には、単なる仕上がりの良し悪し以上に知っておくべきリスクがあります。
それは、一度自分で塗ると「板金塗装のプロ」に頼めなくなる可能性が高いという点です。
- 事故時の補修塗装が難しくなる
- 下取り・買取価格が大幅に下がる(またはゼロになる)
プロが「修理を拒否する」本当の理由
1. 塗料の「相性」の問題(特に水性塗料)
一般的なプロの現場では「2液ウレタン塗料(溶剤系)」が使われます。もしDIYで「水性塗料」を選んでいた場合、その上からプロが塗装しようとすると、強力な溶剤によって下の水性塗料が溶け出し、表面がボロボロに浮き上がってしまいます。 これを防ぐには、今ある水性塗料をすべて手作業で剥がし落とすしかありません。その膨大な手間を考えると、多くのショップでは作業自体を断られてしまいます。
2. 「塗り方」の問題(刷毛・ローラー)
「それなら溶剤系の塗料を自分で塗れば大丈夫?」と思うかもしれませんが、ここにも落とし穴があります。 刷毛やローラーで塗ると、プロの吹き付け塗装に比べて表面に細かな「凹凸」が残ります。プロの美しいツヤを出すには、この凹凸をすべて削って平らにしなければならず、結局は**「塗装膜を一度すべて剥がす」**という、新車を塗るより何倍も大変な工程が必要になります。
結論:DIYは「最後まで自分で面倒を見る」覚悟で
仮に修理を引き受けてもらえたとしても、塗装を剥がす工賃が上乗せされ、通常の数倍の費用がかかることは避けられません。 こうした理由から、**「一度でもセルフ塗装をしたら、もうプロの手は借りられない(後戻りできない)」**というデメリットを十分に理解しておく必要があります。
筆者の場合は、「どうせ乗り潰す車だし、自分で補修すればいい」と割り切って決断しました。中古市場で価値が残っている車や、長く大切に乗りたい車であれば、セルフ塗装は慎重に判断すべきです。
それでは、具体的な道具の準備と塗装手順を解説していきます。
用意するもの

- 塗料 「タカラ塗料(カーペイント用)水性を使用」 4L
- マスキングテープ
- マスカー
- ペンキ屋くん(小型電動塗装機)
- 耐水ペーパー#600
- 不織布ペーパー#600
- シリコンリムーバー
- バンパープライマー
- プラサフ
- ウエス
- 手袋
私が「水性塗料」を選んだ理由

塗料選びには正解がなく、何を優先するかで変わりますが、私はデメリットを理解した上で**「水性塗料」を選択しました。その理由は、圧倒的な「扱いの手軽さ」と「耐久性」**のバランスにあります。
水性塗料を選んだ3つのメリット
- DIYに優しい作業性: ニオイが極めて少なく、身体への負担も抑えられます。専用のうすめ液(シンナー)を使わず、水道水で希釈できる点も、自宅の庭で作業する身としては大きな魅力でした。
- 塗りやすさ: 伸びが良く、初心者でも比較的スムーズに塗り進めることができます。
- 意外な耐久年数: タカラ塗料のラインナップでは、ラッカーや2液ウレタンよりも、水性の方が耐久年数が「4〜5年」と長く設定されています。
【重要】あらかじめ知っておくべき注意点
ただし、水性塗料には特有の弱点もあります。ここを許容できるかどうかが、選択の分かれ目です。
- 塗膜が柔らかい: 完全に乾いた後も、油性(溶剤系)に比べると表面が柔らかいため、小傷がつきやすい傾向にあります。
- 洗車機は「NG」: 表面に汚れを吸着しやすい性質があるため、自動洗車機にかけることはできません。 洗車は基本的に手洗いで、優しく行う必要があります。
全塗装のステップ:8つの工程
「塗装の楽しさは2割、残りの8割は地味な下準備」と言われるほど、事前の作業が仕上がりを左右します。
このステップを丁寧に行うかどうかが、数年後の「塗ってよかった」という満足度に直結します。実際の作業の流れとともに、私が現場で気づいたアドバイスや注意点をまとめて紹介します。
- 洗車・エンブレム剥がし
- 各パーツ外し
- 足付け
- 養生
- 脱脂
- 下塗り
- 塗装
- 仕上げ
【作業順序について】 一般的なマニュアルでは「養生(マスキング)→ 足付け」の順序が推奨されていますが、私はあえて「足付けを先に行う」方法を選びました。
なぜなら、先に養生をするとヤスリがけの際にテープを傷つけて剥がしてしまったり、テープの隙間に削りカスが入り込んだりするのを防ぎたかったからです。セオリーとは逆になりますが、実際に作業した結果、この順序が最も効率的だと判断しました。
24万回再生された「全塗装の記録」をチェック
この記事で紹介している全塗装の全行程を、1本の動画にまとめています。
私のYouTubeチャンネルの中でも、この動画だけが突出して多くの方(24万回以上)に視聴されており、**「DIYでここまで変わるのか!」**というリアルな変化を映像でご確認いただけます。
【このブログと動画の使い分け】
- 動画: 全体のテンポ、スプレーガンの音、色の変化など、映像ならではの「空気感」を掴むために。
- ブログ: 動画では伝えきれなかった具体的な道具の型番、3年経った後の追記情報、そして「失敗しないための細かい境界線」の確認に。
まずは動画で「自分にもできそうか」を確認し、実際の作業中はスマホでこのブログを**「カンニングペーパー(チェックリスト)」**として手元に置いて活用していただくのがおすすめです。
① 洗車・エンブレム剥がし
塗装の「食いつき」を左右する、最初の重要なステップです。
- エンブレムの取り外し: ボディに貼られたエンブレムや車種名は、釣り糸やタコ糸をボディとの隙間に滑り込ませるようにして剥がします。私は塗装後に貼り直すつもりはなかったので、そのまま廃棄しました。 ※もし取り外さずにそのまま塗る場合は、後の工程(足付け)で一緒にヤスリがけを行います。
- 「隙間」の徹底洗浄: 高圧洗浄機などを使い、手の届かないボディの隙間にある泥や汚れを念入りに弾き飛ばします。高圧洗浄機がない場合は、歯ブラシなどで隙間の汚れを洗い流します。
- 脱脂を兼ねた洗車: 中性洗剤を使い、ワックスなどの油分を洗い流します。塗装面に汚れや油分が残っていると、塗料が弾かれてしまうため、ここでの「念入りな洗車」が後の仕上がりを大きく左右します。
② 各パーツ外し
「外せるものは外す」のが、素人感を消してプロっぽく仕上げるコツです。
- 取り外しのメリット: フロントグリル、ヘッドライト、テールランプ、バンパーなど、外せるパーツをあらかじめ外しておくと、以下のメリットがあります。
- パーツの影になる「隅々」まで綺麗に塗装できる
- 面倒な養生(マスキング)の手間が大幅に減る
- 無理のない範囲でOK: パーツによっては取り外しにコツが必要だったり、時間がかかったりするものもあります。無理に外して破損させては元も子もありません。自分のスキルと相談しながら、「簡単に外せるものだけ外す」というスタンスで十分です。
③ 足付け

足付けとは、ボディ表面に細かな凹凸をつけることで、塗料の密着力を高める作業です。これを怠ると、せっかく塗った塗料が後からペリペリと剥がれてしまいます。
- 使用するもの: #600の耐水ペーパー
- コツ: 表面のツヤを消し、軽く荒らす程度でOKです。
作業の後半で気づいたのですが、電動サンダーを使うよりも**「霧吹きで水をかけながらの手磨き」**が最も効率的でした。しかもサンダーよりも削りすぎたりすることもなく安心です。(サンダーは、広い面では労力が掛からず早いですが、研磨力が上がり微調整が難しい、特に曲面などは削りすぎるリスクが高い。)

効率を劇的に変える「霧吹きサンディング」
- メリット: 水分のおかげでペーパーが目詰まりせず、軽い力でスルスルと磨けます。粉塵(削りカス)が舞わないのも大きな利点です。
- 注意点: ボディが濡れていると「どこまで磨けたか」が分かりにくいので、こまめに乾いたタオルで拭き取り、磨き残しがないかチェックしてください。
場所に合わせた道具の使い分け

- 平面: 研磨用の「硬めスポンジパッド」にペーパーを巻いて磨くのがおすすめです(300円程度で手に入ります)。適度な柔軟性が車のボディの丸みにフィットし、疲れを軽減してくれます。
- 曲面・凹凸: ペーパーが届きにくい場所には「不織布研磨材(#600)」が便利です。
- エッジ部分: 角や端の部分は削れすぎて塗装が剥げやすいため、平面よりもさらに優しく力を抜いて作業してください。
クリアー剥がれ・傷の処置

私のセレナのように、ボンネットのクリアー剥がれがひどい場合は、特別な処置が必要です。

- 浮いたクリアーを剥がす: テープやヘラを使い、浮き上がっている部分を可能な限り取り除きます。
- 段差をなくす: #320程度の粗めのペーパーで、クリアーが残っている部分との段差をなだらかにします。
- 削りすぎに注意: 粗いペーパーは削る力が強いため、下地を出しすぎないよう注意。もし下地が出てしまっても、後の「下塗り(プラサフ)」でカバーすれば大丈夫です。
④ 養生(マスキング)

養生(マスキング)は、塗装作業の中で最も「性格が出る」工程です。
「塗る作業」そのものよりも、この「塗らない場所を守る作業」の丁寧さが、最終的な仕上がりのプロっぽさを決定づけます。
ここだけは時間を忘れて、妥協せずに取り組みましょう。
塗装の境界線をきれいに出し、余計な場所に塗料を飛ばさないための重要なステップです。
私は「精度」と「効率」を両立させるために、以下の手順で行いました。
1. 境界線は「マスキングテープ」で攻める

いきなり広い面を覆うのではなく、まずは塗装する境界線に沿ってマスキングテープを貼っていきます。
- ポイント: 特に窓枠やライトのキワなど、目につきやすい場所はミリ単位で丁寧に。ここをしっかり決めておくと、後の作業がグッと楽になります。
2. 広範囲は「マスカー」で一気にカバー

境界線が決まったら、その上からマスカー(テープ付きの養生シート)を広げて車体を覆います。
- サイズの選択: 1100mmタイプよりも、550mmタイプの方が取り回しが良く、断然おすすめです。広い面は550mmを継ぎ足して使えば問題ありません。
- 新聞紙 vs マスカー: 本来、塗料の跳ね返りや吸着を考えると新聞紙が良いとされていますが、私は「作業スピード」を優先してマスカーを選びました。
3. 「たるみ」は塗装の大敵

マスカーを貼る際は、ピンと張って「たるみ」が出ないように固定してください。
- なぜ重要か: 電動ガンの風圧や屋外の風でシートがバタつくと、塗りたての塗装面にシートが張り付いて台無しになることがあります。また、風に煽られてテープが剥がれる原因にもなります。
【サニー流・効率化のコツ】
「二度手間に見えて、実は近道」 マスキングテープを貼った後にマスカーを重ねるのは面倒に思えますが、この「二段構え」にすることで養生の精度が格段に上がり、結果として手直しが減って作業効率が良くなります。
塗る直前に、もう一度「剥がれそうな箇所はないか?」の最終チェックを忘れずに行いましょう。
⑤ 脱脂:塗装直前の「儀式」

いよいよ塗装直前。
ここで塗装面に指紋(皮脂)一つ残さないことが、塗料を弾かせないための絶対条件です。
- 油分を徹底除去: シリコンリムーバーや脱脂用シンナーをウエス(布)に含ませ、ボディを拭き上げます。この際、せっかくの脱脂面に自分の手の油がつかないよう、必ず手袋を着用してください。
- スプレータイプの利便性: シリコンリムーバーは吹き付けながら作業できるので、効率が良くおすすめです。
- 「ホコリ」の最終清掃: 脱脂と同時に、足付けの際に出た細かな削りカスやホコリも一緒に拭き取ります。ホコリが残っていると、塗装した瞬間にポツポツと浮き出てしまうので、細心の注意を払いましょう。
⑥ 下塗り:美しさを守る土台作り(傷やクリア剥がれの補修)

私のように、「下地が露出したボンネット周り」や「傷」がある場合、下塗りをおこないます。
- 樹脂パーツ(バンパーなど)の場合: 未塗装の樹脂部分は塗料が剥げやすいため、まず「バンパープライマー」などの非鉄バインダーを塗って密着力を高めます。
- 傷やクリア剥がれの補修(プラサフ): 私の場合、クリア剥がれを削って下地が露出したボンネット周りや、バンパーの傷跡に「プラサフ(プライマー・サーフェイサー)」を使用しました。
- 手順: 脱脂後、バンパープライマー、プラサフを塗って乾燥させる工程を4回ほど繰り返し、厚めに層を作ります(状態に合わせて調整してください)。
- 仕上げ: プラサフがしっかり乾いたら、表面の凹凸がなくなるまでサンディング(ヤスリがけ)して、ツルツルの状態に整えます。
ここで表面を平滑にしておかないと、上に塗る色が綺麗に乗りません。地味な作業ですが、**「色の乗りを左右する最後の砦」**だと思って丁寧に仕上げましょう。
⑦ 塗装:ついに愛車が生まれ変わる瞬間

いよいよ塗装です!
ここまでの道のりは本当に長く、作業開始から5日目、すでに身体はクタクタですが、ここが踏ん張りどころ。
- 使用した塗料と道具:
- 色: フレンチグレー(タカラ塗料)
- 道具: 家庭用小型電動塗装機「ペンキ屋くん」(当時約9,000円で購入)
- 希釈: 水性塗料のため、水道水で約15%薄めて使用します。
- 事前の注意点:つや消し塗料には大量の「つや消し剤」が沈殿しています。開封時や使用のたびに、底からしっかりとかき混ぜてください。
塗装のコツと「ペンキ屋くん」の実力

1回目は、塗装の「食いつき」を良くするために薄く全体をなぞる程度に塗ります。
正直なところ、安価な電動塗装機は噴霧の粒子が荒く、ムラができやすいです。プロのような鏡面仕上げには向きませんが、「つや消し塗料」であれば、ローラーや刷毛よりも圧倒的に楽に、そこそこのクオリティに仕上げることができます。
【重要】スプレーチップの目詰まり対策

作業中、一番の敵は「塗料の固着」でした。

- 塗装回数:4回の塗装。今回の場合、塗料4L缶で、少し余る程度の塗料使用した。(最低でも3回以上は塗りたい)
- 乾燥の速さ: 水性塗料は乾燥が早いため、1周塗り終わる頃には、最初に塗った場所はすでに乾き始めています。季節や天候などの環境にもよりますが、あまり間隔を空けすぎず、3〜4回と一気に塗り重ねていくのがコツです。
- 歯ブラシ清掃の裏技: 途中で噴霧が荒くなったり、ムラが気になったら、**「水に濡らした歯ブラシ」**でノズル先端(スプレーチップ)を掃除してください。数十秒の清掃で、また調子よく霧が出るようになります。セレナ1台を塗る間に、1〜2回はこの清掃を挟むのがおすすめです。

⑧ 仕上げ:運命の「養生剥がし」

塗装が終わった直後、最後の仕上げです。
- マスキングを剥がすタイミング:「半乾きの状態」ですぐに剥がすのが鉄則です。完全に乾いた後に剥がすと、塗膜まで一緒にベリっと剥がれてしまうミスが起きやすくなります。もし乾いてしまったら、カッターで切れ目を入れながら慎重に剥がしてください。
- 乾燥時間と注意点:走行までは水性・2液ウレタンで2〜4時間程度。ただし、水性塗料は完全に安定するまで時間がかかります。丸1日(可能であれば2日)は雨に当たらないようにスケジュールを調整しましょう。
今回の作業スケジュールと費用まとめ
ひとりのDIYでセレナを全塗装するのにかかったリアルな数字です。
| 日数 | 作業内容 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 1日目 | 洗車・エンブレム剥がし | 3時間 |
| 2〜3日目 | 各パーツ外し・足付け(ヤスリがけ) | 12時間 |
| 4日目 | 養生・脱脂・下塗り | 8時間 |
| 5日目 | 塗装・仕上げ | 6時間 |
| 合計 | 29時間 |
【全塗装にかかった総費用】
約30,000円弱(電動塗装機 含む)
業者に頼めば25万円以上かかる全塗装が、3万円と「5日間の情熱」で実現できました。
最後に:塗り終えて感じた「正直な感想」と、その後の工夫

5日間の激闘を終え、塗りたての愛車を眺めたとき、正直な感想はこうでした。
「悪くない……けど、何かが物足りない」
つや消し塗料は、光の反射(陰影)を消してしまいます。そのため、セレナのような面の大きいミニバンだと、どうしても全体が「のっぺり」とした印象になり、どこか質素すぎるように感じてしまったのです。
よくDIY塗装された車にステンシルなどのアレンジが施されているのを見かけますが、あれは単なる飾りではなく、「のっぺり感を解消するための必然的なアレンジ」だったのだと、自分でやってみて初めて気づきました。
物足りなさを解消する「アクセント」の追加

そこで私は、質感のバランスを取るためにいくつかの「ドレスアップ」を追加しました。
- メッキパーツの追加: フレンチグレーと相性の良いメッキ感を出すため、中古のクリアテールランプに交換し、ドアハンドルやサイドミラーにメッキカバーを装着。
- ホワイトレター: タイヤに白い文字を入れる「ホワイトレター」を施しました。これは低予算ながら、全体の足元を引き締める非常に効果的なアクセントになりました。
車種による「つや消し」の相性
実際にやってみて感じたのは、ボディ形状による相性です。
- ジムニーなどの角ばった車: 凹凸やメリハリが強いため、つや消しでも立体感が出やすく似合いやすい。
- ミニバンなどの丸み・面の大きい車: そのままだと質素に見えやすいため、カラー選択や今回のようなパーツでの工夫がポイントになります。
これから全塗装に挑む方へのアドバイス

ミニバンを一人で全塗装するのは、想像以上にハードです。撮影をしながらとはいえ、5日間・トータル29時間の作業は疲労困憊でした。
- サイズの大きい車なら「助っ人」を: 軽自動車なら一人でもいけますが、ミニバンクラスは誰か一人手伝ってくれる人がいるだけで、作業効率も仕上がりも劇的に変わります。
- 「準備」がすべて: 何度も言いますが、塗装の成否は「下準備」で決まります。事前の道具選びと、余裕を持ったスケジュールを綿密に組んでから挑んでください。
正直、大変な5日間でしたが、自分の手でここまでやり遂げた仕上がりには満足していますし、何より素晴らしい経験になりました。この記事が、全塗装という大きな「最適解」を探している方の参考になれば幸いです。
ドアの内側はどうする?見落としがちな「境界線」の処理

先日、読者の方から「ドアを開けた時の内側の縁がどうなっているのか、いつも気になります」という鋭い質問をいただきました。確かに、外側の塗装情報は多くても、この「境界線」の処理についてはあまり語られません。
結論から言うと、私の手法は**「ドアの内側は極力塗らず、純正の状態を残す」**というものです。
あえて内側を塗らない「3つの理由」
- 清掃の難しさ: 長年乗った車は、ドアのヒンジや下回りに油汚れや泥がこびりついています。ここを塗装できるレベルまで磨き上げるのは、外装の数倍の労力がかかります。
- パーツ外しのリスク: 完璧に塗るにはゴムパッキンなどを全て外す必要がありますが、古い車だと破損のリスクや再装着の手間が膨大になります。
- 将来の塗り替え: もし再び塗り替える際、内側まで厚塗りしていると、後の処理がさらに大変になります。
綺麗に見せる「境界線」の作り方

では、どこで色を切り替えると「自然」に見えるのか。
ポイントは**「ガンスプレーの特性」と「筆塗り」**の併用です。
- 自然なエッジ: スプレーガンで外装を塗ると、意識しなくてもドアのエッジ(角)の部分までは適度に塗料が乗ります。無理に奥まで吹き付けず、この「自然に乗る範囲」を境界線にします。その範囲内でボディーのエッジや曲線に合わせ境界線を作ると、見た目の違和感を最小限に抑えることができます。
- 隙間からの侵入を防ぐ(養生): 屋根付近やバックドアの隙間は意外と広く、ガンの風圧で塗料が中に入り込みやすいです。養生の段階で、どこまでを「外」とするか明確に決め、内側にしっかりマスキングテープを貼っておくことが重要です。
- 仕上げは「筆」で整える: 養生を剥がした後、スプレーでは色が乗り切らなかった細かい部分や、境界線のガタつきを**「平筆」**でタッチアップします。
- コツ: 塗装がしっかり乾燥し、外側の養生を剥がした後に作業します。ドア内側の養生だけを少し残した状態で筆を入れると、はみ出しを防げて綺麗に仕上がります。
まとめ:完璧を目指さない「最適解」
ドアを開けた瞬間、元の色がチラリと見えるのは、DIY塗装の「ご愛嬌」でもあります。
そこを完璧にするために数日を費やすより、「外から見た時の完成度」にエネルギーを注ぐ。これもまた、DIY全塗装を最後まで完遂させるための、一つの大切な考え方だと私は思います。
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