ミラーレス一眼カメラ動画の「サー」というホワイトノイズを根本から消し去る方法。

SIGMA fpにSmallRig SSDクランプ&SanDisk SSD 2TBとRODE VideoMicroとの組み合わせ-斜め後方側面構図

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動画編集をしていて、静かなシーンでボリュームを上げた瞬間、あの不快な「サー」という音が耳につく。

DaVinci Resolveのノイズリダクションで消すことはできても、同時に大切な「空気感」まで削ぎ落とされて、音がこもってしまう。

できることなら、後処理に頼らず「収録の段階」でこの濁りを掃除したい。

音のノイズを引き算し、現場の真実を浮かび上がらせるためのインフラ整備について、実体験を元に紐解いてみます。

真犯人は、カメラの中の「アンプ」だった

sigma fp フルサイズ ミラーレス一眼

なぜマイクを変えてもノイズが消えないのか?

その大きな要因は、マイクの性能以上に、カメラに内蔵された「マイクプリアンプ」の性能にあります。

マイクが拾う音声信号は、非常に微弱です。それを録音可能なレベルまで増幅するのがプリアンプの役割ですが、ミラーレス一眼(特にSIGMA fpなど)のプリアンプは、音を大きくする際にどうしても「電気的なゴミ(ノイズ)」を一緒に混ぜてしまう傾向があります。

  • 「オート設定」というノイズ増幅器: 録音レベルを「オート」にしていると、カメラは「小さな音も漏らさず拾おう」と無理な増幅(ゲインアップ)を繰り返します。これが、あの「頑張りすぎて発生するノイズ」の正体です。

ホワイトノイズを引き算する「3つの戦略」

SIGMA fp シネマセットアップ - マイク編:ZOOM H1nのセッティング

正直に言えば、近年の最新カメラならプリアンプの性能が向上し、こんな苦労は不要かもしれません。

手間をかけずに幸せになりたいなら、最新機に買い換えるのが一番の近道です。 しかし、私のように「このカメラで、最高の音を収めたい」と願うなら、カメラの「不器用なアンプ」に頼らない工夫が必要になります。

① マイク側で「音を稼ぐ」(出力ブースト)

ホワイトノイズ対策として最もシンプルで効果的なのが、**「マイク側で音を大きくしてからカメラに送る」**という手法です。代表的な機材は、RODE VideoMic Pro+。このマイクは、出力を「+20dB」ブーストする機能を備えています。

  • 仕組み: マイク側で音を大きくして送れば、カメラ側の録音レベル(増幅量)を**最小限(1〜2など)**まで絞れます。
  • 効果: ノイズの元凶である「カメラ内蔵アンプ」をほとんど働かせずに済むため、結果的に「サー」という音を物理的に抑え込めます。

② 【推奨】外部レコーダーという「別のアンプ」を借りる(ライン接続)

Handy Recorder ZOOM H1n

私が辿り着いた、最も純粋な方法です。ZOOM H1nのような外部レコーダーで集音し、そこからカメラへライン出力する方法です。 高性能なレコーダーで増幅した「綺麗な音」をカメラに渡すことで、①と同様にカメラ側のアンプによるノイズ混入を物理的に防げます。機動力と音質を両立させる、最も現実的な解です。

なお、外部レコーダーにもホワイトノイズが入りやすい製品がありますので、アンプ性能の良いレコーダーを選ぶこともポイントです。

外部レコーダーのライン接続による収録方法(カメラの設定方法)についてはこちらで詳しく紹介しています。

③ 完全に「別系統」で管理する(外部収録)

カメラにはガイド用の音だけを入れ、本番の音はZOOM H6などの外部レコーダーで単独収録する。 編集で音を合わせる手間は増えますが、カメラという「ノイズの箱」から音を完全に解放できる究極の引き算です。

音を「録る」のではなく「余白」を守る

映像において「音」は、目に見えない空気感そのものです。 ホワイトノイズを消すことは、単に音を綺麗にする作業ではなく、被写体の呼吸や現場の静寂という「余白」を守る行為だと言えます。

道具の個性を理解し、システムとしてのノイズを引き算する。 不便なカメラだからこそ、工夫次第で「化ける」瞬間がある。その試行錯誤こそが、表現者としての密かな愉しみなのかもしれません。